はじめに
「ダーツが思ったように抜けない」「飛びが毎回バラつく」。
そんな悩み、バレルの構造で改善できるとしたらどうでしょうか?
今回レビューするのは、DYNASTYから登場したPERSEUS(ペルセウス)畦元隆成プロモデル。
このペルセウスは、どこを持っても迷わず、毎回同じ抜け感で飛ばせる。そんなバレルとなっています。
この記事では、スペックの紹介にとどまらず、なぜこのバレルが「抜けない・飛ばない」という悩みに効くのか?を
解剖学・物理・構造設計の視点から、わかりやすく紐解いていきます。
【結論】ペルセウスはどんなプレイヤーに合う?
“グリップ位置が毎回同じになること”を構造で実現できる点です。
ペルセウスは、次のようなプレイヤー特有の悩みにお勧めです。
- グリップが毎回ズレて、スローの再現性がない
- 指離れが安定せず、飛びにブレが生じる
- 無意識に前方を握ってしまい、力の方向が安定しない
- 握り込みすぎて指に余計な力が入る
“どこで持てばいいか”をバレル形状が教えてくれ、指離れまで自然に整います。
ペルセウスのスペック

項目 | 数値・仕様 | 備考 |
---|---|---|
全長 | 45.0mm | 扱いやすい標準的な長さ |
最大径 | 7.2mm | 太すぎず構造を感じやすい |
リアテーパー | 約2.1° | 指が自然に収まり安定したグリップが作れる |
重心 | センター | セッティング次第で柔軟に対応可能 |
ペルセウスは、今回紹介している19.0gの他に、17.5gの2つのモデルがあります。
以下は、重量を選ぶ際の参考にしてください
17.5g:フォロースローで振り抜きやすい方が良い。重ためのバレルが苦手。
19.0g:重みを感じたい。より直線的に投げたい。
ペルセウスのカット持ちについて
Aフライトレベルのプレイヤーが1日2時間、週5日使用した時の交換目安:6ヶ月程度
- 3ヶ月:リリースやグリップ感に変化を感じ始める
- 4〜5ヶ月:カットのかかりが鈍くなってくる/視覚的な摩耗してきたと感じる
- 6ヶ月:「抜け方が変わった」と感じるてくる
※バレルの寿命には、投げ方や、カットの強さの好みが大きく関係します
ペルセウスを深掘り|なぜ“安定する”のかを設計から読み解く
ペルセウスは、「セットアップ→グリップ→リリース→フォロー」まで、動作全体を通じて安定性を高めるための工夫をされているのが特徴です。
このパートでは、リリースが揃わない・グリップがズレるといった悩みに対して、どのようにこのバレルが応えてくれるのかを、動作別に詳しく読み解いていきます。

1. セットアップ|中指・薬指が深く入りすぎると構えが崩れる人
「握りすぎて手の形が決まらない」「毎回グリップの形が微妙に違う」
そんな悩みは、実は“中指や薬指の接触”に原因があるケースが少なくありません。
ペルセウスでは、前方の形状とウィングカットによって中指・薬指の不要な握り込みを抑え、グリップ時のバレルの安定をサポートしてくれます。
紫色のカット部分の径は、約6.0mmと細めになっており、指を意識的に握り込もうとしなければ、中指・薬指がに構造的な制限が働きます。
また、ウィングカットは幅約0.7mm/深さ約0.2mmとやや浅め。
「強く握ることなく、軽く触れても自然と引っかかる」ことで、補助的な支えの役割を果たします。

中指・薬指を軽く添えるだけでグリップが安定し、フォームの崩れを未然に防いでくれる構造になっています。
2. グリップ|どこを持てばいいか迷う人
グリップ位置のわずかなズレは、飛びや回転に直結します。
「どこを持てばいいのか分からない」「グリップが安定しない」。
そんな人のために、視覚的な分かりやすさとリアの細かいリングカットで、“迷わず・ズレずに持てるようになっています。
このバレルは、中央に最大径7.2mmの膨らみがあり、視覚的にも触覚的にも「ここが中心」という明確な目印になります。
ここからリア方向に向けてテーパーが始まり、最終的にはグリップ位置付近で約6.1mmまで細くなります。
長さ約1.1mmかけてゆっくり細くなっていくことで、皮膚が自然に“引っかかり”や“沈み”を感じるポイントができ、指が止まりやすくなります。
無意識に「この辺りが正しい位置だ」と感じられるでしょう。

さらに、グリップ位置のリングカットは幅約0.5mm/深さ約0.3mmの浅めの設定。
このことで、指が必要以上に食い込まず、かつ滑らない程度の抵抗感を持ち、支点としての安定感を生み出すことが期待できます。
視覚・触覚・摩擦。この3つによってグリップの位置が自然と定まる。
「どこを持っても不安」「持ち位置が毎回ズレる」そんな人にとって、グリップが整いやすい構造になっています。
3. リリース|指離れのタイミングが毎回ズレてしまう人
「リリースで抜けが早すぎる/遅すぎる」「毎回バラつく」多くのダーツプレイヤーが悩む“リリースの不安定さ”。
ペルセウスは、毎回のグリップや指離れに多少のズレがあっても、テーパーとカットが滑りの方向を補正してくれることで、“抜けのタイミング”を安定させやすくなっています。
後方テーパーはおよそ2.1°と穏やかな角度になっており、抜ける方向(リリース方向)と指が動く方向が自然に揃いやすくなっています。
これにより、角度のズレによる「引っかかり」や「滑り落ち」が起こりにくく、タイミングの再現性が高まります。
さらに、リアテーパー上のリングカット(幅約0.5mm/深さ約0.3mm)は、引っかかりすぎず、でも滑りすぎない──抜けやすさと支えやすさのバランスが取れたカットです。
強く握ってしまった時だけ、カットが軽く指を支えてくれることで、“抜ける方向が自然に整う”ような工夫がされています。

通常はスムーズに滑り、ズレて力が入った時だけ軽くブレーキがかかることで、自分の意図に近いタイミングで自然に抜ける感覚が得られやすくなります。
このように、テーパー角と摩擦設計の両面からリリースタイミングを補正してくれるため、「狙った場所に向かって、素直に飛んでいく」スローが実現しやすくなっています。
4. フォロースルー|抜けた感覚や感触が毎回違う人
「同じように投げているはずなのに、手に残る感触やリリースの余韻がバラつく」
それは、リリースの力加減や抜けの角度が毎回わずかに変わっているのかもしれません。
ペルセウスは、握りやすさ・抜けやすさ・ズレの補正まで、ひとつの形にまとめ上げられた設計です

リアテーパー角(約2.1°)によって、指の当たり方と抜ける角度が揃いやすく、リリースの軌道が安定しやすくなります。
さらに、幅約0.5mm・深さ約0.3mmのリングカットが密に刻まれていることで、毎回似た感触で持て、リリース時の滑り方も一定化しやすくなります。
滑りすぎず、止まりすぎず、ちょうどいい感覚で指が抜けてくれるので、毎回同じようなリリースがしやすくなります。
このバレルは、持った瞬間から抜けるまでの一連の動作に対して、形状全体で“自然な流れ”が作られます。
そのため、プレイヤーが意識して調整しなくても、フォロースルーが再現しやすくなり、リリースの感覚も安定しやすくなります。
このように全体を整えるというのが、このバレルの大きな特徴です。
まとめ
ペルセウス(畦元隆成モデル)は、「リリースのズレ」「グリップの不安定さ」に悩むプレイヤーにとってお勧めの選択肢です。
ペルセウスをお勧めしたい人は、以下の通り。
- 握り込みやすい人
- グリップがズレやすい人
- リリースが安定しない人
これらのプレイヤーには是非試してほしいバレルだと感じました。
「毎回違う感覚」から、「いつも同じ感覚」へ。
プレイヤーの成長を支える構造が、このバレルにはあります。
詳細は公式サイトで確認してください

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筆者の簡単なプロフィール
ダーツ歴12年、PERFECTプロ歴3年。
ダーツの技術やバレルの特徴を調べるのが楽しみです!
実際に投げたバレルは400種類以上。(2022/3月現在)
数多くのレッスン受講歴あり、イップス・グリップイップスという経験から自身でも身体について勉強しています。